夜光杯雑記帳

小ネタが輝く、万華鏡のようなブログを目指します

【常用漢字表】漢検10級~7級/「売り上げ」とは書かない

 「売り上げ」は「うりあげ」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「売(り)上(げ)」は「商品などを売って得た代金の総額。売上高。売上金。」などと解説されています。デジタル大辞泉の見出し語としては、「り」と「げ」がカッコ書きになっていますが、常用漢字表では「売り上げ」です。日本商工会議所が定めている「商業簿記標準・許容勘定科目表」では「売上」であり、勘定科目として「売り上げ」とは書きません。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で「売り上げ」を調べると、1件ヒットしました。「地方財政法施行令(昭和23年政令第267号)」第38条に「売出期間内に売り上げた地方債証券」とあります。これは活用のある語なので、ちょっと毛色が違います。
 名詞的に使われてるものを探しますと、1件見つかりました。「産業競争力強化法施行規則(平成30年内閣府総務省財務省文部科学省厚生労働省農林水産省経済産業省国土交通省環境省令第1号)」第49条に「資金計画認定事業再編事業者の売上の推移を示す書類」とあり、「売上」となってますね。
 「売上高」については、法令検索でのヒット件数は108件、送り仮名の「り」とか「げ」が入っているものは0件でした。内閣告示上、送り仮名を省くのは「許容範囲」という位置付けなのですが、現状は許容範囲のほうが多数派となっていますので、名詞的に使う場合は「売上」と書いておくのが無難でしょう。