夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検6級~5級/「史学」と歴史学

 「史学」は「しがく」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「史学」は「歴史を研究する学問。歴史学。」と解説されています。一方、「歴史学」は常用漢字表にはありません。もちろん、デジタル大辞泉には載っていまして、「歴史学」は「歴史を研究の対象とする学問。」と解説されています。両者の解説を見比べると、「史学」と「歴史学」は同じと見てよさそうですが、ここで終わると法令検索マニアの名折れなので、調べます。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で「史学」を調べると、2件ヒットしたのですが、そのうち1件は「歴史学」です。2件ともを転記すると、次のとおりです。

○関税定率法(明治43年法律第54号)
97.05 収集品及び標本(考古学、民族学史学、動物学、植物学、鉱物学、解剖学、古生物学又は古銭に関するものに限る。) 無税
9705・10 収集品及び標本(考古学、民族学又は史学に関するものに限る。) 無税

国立大学法人法施行規則(平成15年文部科学省令第57号)
別表第1(第1条関係)
大学共同利用機関法人人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館 我が国の歴史資料、考古資料及び民俗資料の収集、保管及び公衆への供覧並びに歴史学、考古学及び民俗学に関する調査研究

 上記2つの法令は、法律と省令ですから、法律のほうが言わば格上です。とはいえ、制定年の違いと所管省の違いから推測すると、昔は「史学」という言い方が多かったが、現在は「歴史学」と言うことが多い…というところじゃないでしょうか。
 我が国における近代的な大学の第1号である東京大学のサイトを見ると、文学部を紹介するページに「明治10年(1877)に、東京大学は、文学部・法学部・理学部・医学部の4学部で誕生しました。この時点で、文学部は、史学・哲学及政治学科と和漢文学科から成り立っていました。」という記載があり、やはり昔は「史学」だったのですね。