「柔軟」は「じゅうなん」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉(小学館)」では、「柔軟」は「1 やわらかく、しなやかなさま。」「2 一つの立場や考え方にこだわらず、その場に応じた処置・判断のできるさま。」などと解説されています。
政府提供の「e-GOV法令検索」で「柔軟」を調べると、37件ヒットしました。順番に見ていったのですが、「柔軟」と他の言葉とを組み合わせて、「○○かつ柔軟」または「柔軟かつ○○」という形のものが気になり、拾っていくと次のようなものがありました。
的確かつ柔軟、柔軟かつ的確、柔軟かつ弾力的、柔軟かつ堅ろう、効率的かつ柔軟
「的確かつ柔軟」と「柔軟かつ的確」があることに注目したのですが、「e-GOV法令検索」で調べると、「的確かつ柔軟」が2件(1法律1政令)、「柔軟かつ的確」が1件(1法律)でした。実際の使われ方を見てみましょう。
○中央省庁等改革基本法(平成10年法律第103号)
「内外の主要な行政課題に的確かつ柔軟に対応し得るようにするため」(第4条)
○国と民間企業との間の人事交流に関する法律(平成11年法律第224号)
「行政の課題に柔軟かつ的確に対応するために必要な知識及び能力を有する人材の育成を図る」(第1条)
○採用試験の対象官職及び種類並びに採用試験により確保すべき人材に関する政令(平成26年政令第192号)
「多様な知識及び経験に基づくとともに幅広い視野に立って行政課題に的確かつ柔軟に対応し」(第3条)
いずれも後に来るのは「対応」であり、「的確かつ柔軟に対応」なのか「柔軟かつ的確に対応」なのかという違いです。この違いを平成の時代にもなって内閣法制局が見逃すとは考え難く、何らかの意図があったのでしょうが、それが何かとなると難しいですね。どちらに重点が置かれているのかという違いだろうと思います。
準2級~2級の用例をもっと見るにはこちら。