夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検10級~7級/人が「乗る」ことはできない無人航空機と小型無人機

 「乗る」は「のる」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「乗る」は「物の上にあがる。」「乗り物の上、または中に身を置く。乗り物で移動する。」「調子や動きによく合う。」「勢いがついて物事がぐあいよく運ぶ。勢いにまかせてすすむ。」「誘いや持ち掛けに応じて仲間や相手になる。仲間として加わる。参画する。」「相手の思惑どおりに動かされる。引っかかる。だまされる。」などと解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で「乗る」を調べると、10件ヒットしました。その中から2件紹介します。

航空法(昭和27年法律第231号)第2条第22項
この法律において「無人航空機」とは、航空の用に供することができる飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他政令で定める機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるもの(その重量その他の事由を勘案してその飛行により航空機の航行の安全並びに地上及び水上の人及び物件の安全が損なわれるおそれがないものとして国土交通省令で定めるものを除く。)をいう。

○重要施設の周辺地域の上空における小型無人機等の飛行の禁止に関する法律(平成28年法律第9号)第2条第3項
この法律において「小型無人機」とは、飛行機、回転翼航空機、滑空機、飛行船その他の航空の用に供することができる機器であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動操縦(プログラムにより自動的に操縦を行うことをいう。)により飛行させることができるものをいう。

 2つの法律を比べると、「無人航空機」と「小型無人機」は、ほぼ同じ内容であり、黒太字にした部分は全く同じです。
 法令において文言が書き分けられているということは、そこに何らかの意味があります。航空法が定義する「無人航空機」の範囲から除かれるものを見てみましょう。

航空法施行規則(昭和27年運輸省令第56号)
(法第2条第22項の国土交通省令で定める機器)
第5条の2 法第2条第22項の国土交通省令で定める機器は、重量が100グラム未満のものとする。

 重量が100グラム未満のものは「無人航空機」の対象にならないわけです。ところが、「小型無人機」については、法律にそのような除外規定がありませんので、重量100グラム未満のものであっても対象になってきます。
 各機の重量が100グラム未満のドローンであっても、使われ方によっては政府の中枢が大混乱に陥るおそれがありますので、総合的に勘案して除外されなかったのだろうと思います。