夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検準2級の漢字/選挙人名簿は永久に「据え置く」

 「据え置く」は「すえおく」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「据え置く」は「場所を定めて据え備える。」「動かさないで、また手をつけないで、そのままの状態にしておく。」「預貯金・公社債などを、一定期間払い戻し・償還しないでおく。」と解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で「据え置く」を調べると、3件ヒットしました。その中から、「公職選挙法(昭和25年法律第100号)」を紹介します。

公職選挙法(昭和25年法律第100号)
(永久選挙人名簿)
第19条 選挙人名簿は、永久に据え置くものとし、かつ、各選挙を通じて一の名簿とする。
2 市町村の選挙管理委員会は、選挙人名簿の調製及び保管の任に当たるものとし、毎年3月、6月、9月及び12月(第22条及び第24条第1項において「登録月」という。)並びに選挙を行う場合に、選挙人名簿の登録を行うものとする。
3 選挙人名簿は、政令で定めるところにより、磁気ディスク(これに準ずる方法により一定の事項を確実に記録しておくことができる物を含む。以下同じ。)をもって調製することができる。
4 (略)
(選挙人名簿の記載事項等)
第20条 選挙人名簿には、選挙人の氏名住所(次条第2項に規定する者にあっては、その者が当該市町村の区域内から住所を移す直前に住民票に記載されていた住所)、性別及び生年月日等の記載(前条第3項の規定により磁気ディスクをもって調製する選挙人名簿にあっては、記録)をしなければならない。
2 選挙人名簿は、市町村の区域を分けて数投票区を設けた場合には、その投票区ごとに編製しなければならない。
3 前2項に規定するもののほか、選挙人名簿の様式その他必要な事項は、政令で定める。
(被登録資格等)
第21条 選挙人名簿の登録は、(中略)引き続き3箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されている者について行う。
2 選挙人名簿の登録は、前項の規定によるほか、当該市町村の区域内から住所を移した年齢満18年以上の日本国民のうち、その者に係る登録市町村等の住民票が作成された日から引き続き3箇月以上登録市町村等の住民基本台帳に記録されていた者であって、登録市町村等の区域内に住所を有しなくなつた日後4箇月を経過しないものについて行う。
3~5 (略)

 選挙人名簿は永久に据え置くので永久選挙人名簿というのですね。その気になれば成人してからの住所変更の経過をどんどんさかのぼって調査できるということであり、なかなかおそろしいことであります。
 ちょっと深入りしますと、債務者が昔の住所地付近で預貯金口座を作り、金融機関の届出住所を変更しないまま現在に至っているという場合、債権者から見ると、その預貯金口座がその人本人のものであるか、あるいは同氏名・同生年月日の他者であるかは判断困難です。こういう場合、住所変更の経過を追跡調査すると、かなりの精度で本人確認ができることになるだろうと思います。市町村の担当部署が情報開示に応じてくれるかどうかは、やってみないと分からないですが、公益と個人情報保護とを比較考量することになるんだろうと思います。