夜光杯雑記帳

小ネタが輝く、万華鏡のようなブログを目指します

【常用漢字表】漢検準2級~2級/戒める、「諭す」

 「諭す」は「さとす」、「戒める」は「いましめる」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「諭す」は「1 目下の者に物事の道理をよくわかるように話し聞かせる。納得するように教え導く。」「2 神仏が警告する。告げ知らせる。」などと解説されています。一方、「戒める」は「1 まちがいをしないように前もって注意する。教えさとす。」「2 してはいけないと命ずる。禁止する。」「3 同じ過ちを犯さないようにしかる。」「4 警戒する。」などと解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で調べると、「諭す」は1件、「戒める」は2件でした。「諭す」と「戒める」が両方登場するものがあるので、見てみましょう。

○犯罪捜査規範(昭和32年国家公安委員会規則第2号)
微罪処分ができる場合)
第198条 捜査した事件について、犯罪事実が極めて軽微であり、かつ、検察官から送致の手続をとる必要がないとあらかじめ指定されたものについては、送致しないことができる。
微罪処分の報告)
第199条 前条の規定により送致しない事件については、その処理年月日、被疑者の氏名、年齢、職業及び住居、罪名並びに犯罪事実の要旨を1月ごとに一括して、微罪処分事件報告書(別記様式第19号)により検察官に報告しなければならない。
微罪処分の際の処置)
第200条 第198条(微罪処分ができる場合)の規定により事件を送致しない場合には、次の各号に掲げる処置をとるものとする。
(1)被疑者に対し、厳重に訓戒を加えて、将来を戒めること。
(2)親権者、雇主その他被疑者を監督する地位にある者又はこれらの者に代わるべき者を呼び出し、将来の監督につき必要な注意を与えて、その請書を徴すること。
(3)被疑者に対し、被害者に対する被害の回復、謝罪その他適当な方法を講ずるよう諭すこと。

 警察関係法令は独特の世界観がありますね。「諭す」と「戒める」とは第200条に登場します。スーパーで少額の万引きが見つかり、警察官にこってり絞られているといったシーンですね。第1号は将来を「戒める」、第2号は本人以外の者に注意を与え、第3号は被害回復を「諭す」。それぞれ書き分けられていて、それぞれ適切な用語使いという気がします。