夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検準2級~2級/「安寧」+「秩序」

 「安寧」は「あんねい」、「秩序」は「ちつじょ」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「安寧」は「無事でやすらかなこと。特に、世の中が穏やかで安定していること。」などと解説され、「秩序」は「1 物事を行う場合の正しい順序・筋道。」「2 その社会・集団などが、望ましい状態を保つための順序やきまり。」などと解説されています。そして、「安寧秩序」も見出し語に掲載されており、「世の中が整った状態にあり、安定していること。」と解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で調べると、「安寧」は2件(うち1件は地名)、「秩序」は381件、「安寧秩序」は1件でした。「安寧秩序」の1件を見てみましょう。

○消防法(昭和23年法律第186号)
第1条 この法律は、火災を予防し、警戒し及び鎮圧し、国民の生命、身体及び財産を火災から保護するとともに、火災又は地震等の災害による被害を軽減するほか、災害等による傷病者の搬送を適切に行い、もって安寧秩序を保持し、社会公共の福祉の増進に資することを目的とする。

 ここで「安寧秩序」ではなく「秩序」に変更するとどうなるかと考えるのですが、ここからは推測です。単に「秩序」としてしまうと、スケール感が小さくなってしまうような気がします。「安寧」の使用例は非常に少ないわけですが(地名を除けば上記法律のみ)、それでもあえて「安寧」を使ったのは、人間がどうにかできるものだけにとどまらず、人間ではどうにもできない災害といったものも強く意識しているからだろうと思います。