夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検10級~7級/「記録」と「実録」は重みが違う

 「記録」は「きろく」、「実録」は「じつろく」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「記録」は「将来のために物事を書きしるしておくこと。また、その書いたもの。現在では、文字に限らず、映像や音声、それらのデジタルデータも含んでいう。」などと解説され、「実録」は「事実をありのままに記録したもの。」「編年史の形式の一。ある帝王1代の出来事を年を追って記録したもの。」などと解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で調べると、「記録」2,313件、「実録」1件でした。「記録」のほうが圧倒的に多いのですが、あえて「実録」を使っている法令を見てみましょう。
 
宮内庁組織令(昭和27年政令第377号)
(編修課)
第21条 編修課においては、左の事務をつかさどる。
一 天皇及び皇族の実録の編修に関すること。
二 図書及び記録の編修に関すること。

 同じ第21条の中に「記録」と「実録」が登場しており、両者は使い分けられています。1号中の「実録」を「記録」と書くこともできたはずです。その場合、2号中の「記録」を「諸記録」などとする必要はあるでしょうが、そういった選択肢は採用されなかったわけです。