夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検5級の漢字/お役所仕事における「帰納」

帰納」は「きのう」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「帰納」は「個々の具体的な事例から一般に通用するような原理・法則などを導き出すこと。」と解説されています。一方、対義語である「演繹(えんえき)」は、常用漢字表には無いのですが見ておくと、「2 与えられた命題から、論理的形式に頼って推論を重ね、結論を導き出すこと。一般的な理論によって、特殊なものを推論し、説明すること。」と解説されています。帰納は経験論的、演繹は合理論的ということもあって、あれかこれか的に理解されることもあるのですが、実際は、車の両輪のようなものでしょう。改めて考えると、役所の仕事に似ているような気もしてきました。役所における多くの業務は、法令に合致するように個々の案件を処理していくもので、これは演繹的な仕事と言えます。ところが、社会経済情勢の変化とともに、根拠法令の想定していない事態が発生するようになります。そうなると、現状をうまく解決できるような最適解を探すことになります。これは帰納的な仕事と言えます。こうして、法令の執行と法令の改廃を行い、「法の支配」を維持してくわけですね。そんな役所では多くのことを学びました。公務員時代の思い出は、かけがえのない宝物です。我こそはと思う人は、採用試験に挑戦してほしいと思います。