夜光杯雑記帳

小ネタが輝く、万華鏡のようなブログを目指します

【常用漢字表】漢検4級の漢字/どの程度ひどいのが「凶作」なのか

「凶作」は「きょうさく」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「凶作」は「農作物の出来が非常に悪いこと。ひどい不作。」と解説されています。「凶作」ほどひどくなければ「不作」ということで、「凶作」や「不作」の対義語は「豊作」です。政府提供の「e-GOV法令検索」で検索すると、「凶作」の文言は「食料・農業・農村基本法(平成11年法律第106号)」に登場しますが、定義はありません。コメの出来具合については、「作況指数」という数値で判断されているようです。作況指数というのは、ある年の10a当たりの玄米収量を平年収量と比べた比率であり、101~99だと「平年並み」、98~95だと「やや不良」、94以下だと「不良」です。令和4年の場合、全国の作況指数はちょうど100で、10a当たり収量は536kgでした。長期データもあるので、100年前はどうだったのだろうと思って見ますと、1922年(どちらかといえば豊作の年)の10a当たり収量は300kgです。ということは、この100年間で単位面積当たりの収量は約1.8倍となったわけで、農業技術がそれだけ進歩したのですね。さて、農林水産省のウェブサイト「政府備蓄米の制度について教えてください」では、平成5年を大不作(作況指数74)、平成3年を不作(作況指数95)としています。政府備蓄米制度は、適正備蓄水準を100万トン程度として運用されており、10年に1度の不作(作況指数92)や、通常程度の不作(作況指数94)が2年連続した事態にも対処し得る水準となっているそうです。作況指数92は10年に1度の不作だというのですから、作況指数の度数分布が正規分布に従うと仮定してエクセルで計算してみると、標準偏差は約6.24。そこで、標準偏差2つ分を差し引き、作況指数88以下だと大不作・凶作、という感じでどうでしょうか。ただし、近年の作況指数は比較的落ち着いていますので、平成3年の作況指数74は外れ値という気もします。そうすると、標準偏差を6.24とするのは過大かもしれないのですが、そのあたりの適正な評価は、数十年後に過去を振り返ってできることでありましょう。