「市民」は「しみん」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉(小学館)」では、「市民」は「1 市の住民。また、都市の住民。」「2 《citizen》近代社会を構成する自立的個人で、政治参加の主体となる者。公民。」「3 《(フランス)bourgeois》ブルジョアのこと。」と解説されています。
政府提供の「e-GOV法令検索」で「市民」を調べると、63件ヒットしました。それぞれどういう使われ方をしているのかを見ていくと、次のようになりました。
市民農園:市民農園整備促進法など
市民緑地:都市緑地法など
市民生活:警察法など
市民:特定非営利活動促進法など
市民活動:内閣府設置法など
市民権:出入国管理及び難民認定法など
消費者市民社会:消費者教育の推進に関する法律
市民ラジオ:無線設備規則など
市民センター・市民総合センター:公職選挙法
ソヴィエト、チェコスロバキア、ドイツ民主共和国及びスイス市民:南極地域の環境の保護に関する法律施行規則
「市民農園」と「市民緑地」は大辞泉の1番目の意味ですね。残りはどうでしょうか。2番目でも3番目でもしっくりこないような気がします。「市民生活」のように一般大衆を想定したものから、「消費者市民社会」のように若干意識高い系のブルジョワ寄りを想定したものまで、大辞泉の解説に収まりきらない意味で使われていると思うのですが、いかがでしょうか。限られた分量で解説するのが辞書ですから、拾い切れないものが出てくるのはやむを得ないのだろうと思います。