夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検10級の漢字/「大いに」期待される六次産業化と地産地消

 「大いに」は「おおいに」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「大いに」は「《形容動詞「大いなり」の連用形から》非常に。はなはだ。たくさん。」と解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で「大いに」を調べると、2件ヒットしました。2件とも「大いに」は前文に登場します。こういった曖昧な言葉は前文に置かれがちですね。まず、「地域資源を活用した農林漁業者等による新事業の創出等及び地域の農林水産物の利用促進に関する法律(平成22年法律第67号)」の前文第3~4段落を見てみましょう。

 我々は、一次産業としての農林漁業と、二次産業としての製造業、三次産業としての小売業等の事業との総合的かつ一体的な推進を図り、地域資源を活用した新たな付加価値を生み出す六次産業化の取組と、地域の農林水産物の利用を促進することによる国産の農林水産物の消費を拡大する地産地消等の取組が相まって、農林漁業者の所得の確保を通じて農林漁業の持続的かつ健全な発展を可能とするとともに、農山漁村の活力の再生、消費者の利益の増進、食料自給率の向上等に重要な役割を担うものと確信する
 同時に、これらの取組は農山漁村に豊富に存在する土地、水その他の資源の有効な活用、地域における食品循環資源の再生利用、農林水産物の生産地と消費地との距離の縮減等を通じ、環境への負荷の低減に寄与することが大いに期待されるものである

 重要と思われる部分を太字にしてみました。「六次産業化」という言い方には言葉遊び的なものを感じていたのですが、法律の中で正規に使用されている用語なのですね。
 ついでに、もう1件の「水循環基本法平成26年法律第16号)」の前文第2段落も見ておきましょう。

 特に、我が国は、国土の多くが森林で覆われていること等により水循環の恩恵を大いに享受し、長い歴史を経て、豊かな社会と独自の文化を作り上げることができた。

 前文というのは、そこだけ読むと論説文のような味わいであり、条文形式の文章とはひと味違いますね。漢字出題用の問題文としても使えるんじゃないかと思いますが、学校の漢字テスト用にいかがでしょうか。