夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検6級の漢字/テクニカルな「正義」

 「正義」は「せいぎ」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「正義」の解説は3つ。「1 人の道にかなっていて正しいこと。」「2 正しい意義。また、正しい解釈。」「3 人間の社会行動の評価基準で、その違反に対し厳格な制裁を伴う規範。」と解説されています。
 政府提供の「e-GOV法令検索」で「正義」を調べると、5件ヒットしました。ただし、「訂正義務亅という正義とは別物の1件と、「社会正義」の1件を除けば、混じり気のない「正義」は3件です。日本国憲法(昭和21年憲法)、刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)、教育基本法(平成18年法律第120号)です。刑事訴訟法では、「正義」が2回使われているのですが、後のほうを転記しますと、次のとおりです。

刑事訴訟法(昭和23年法律第131号)
第411条 上告裁判所は、第405条各号に規定する事由がない場合であっても、左の事由があって原判決を破棄しなければ著しく正義に反すると認めるときは、判決で原判決を破棄することができる。
一 判決に影響を及ぼすべき法令の違反があること。
二 刑の量定が甚しく不当であること。
三 判決に影響を及ぼすべき重大な事実の誤認があること。
四 再審の請求をすることができる場合にあたる事由があること。
五 判決があった後に刑の廃止若しくは変更又は大赦があったこと。

 よく見ると「著しく正義に反する」とありますので、逆に考えると、若干正義に反する原判決は、そのまま維持されるということですね。何が正義かを突き詰めようとしても決着はつかないでしょうし、ある程度の振れ幅を認めるのが大人の対応ということなんだろうと思います。