夜光杯雑記帳

小ネタが輝く、万華鏡のようなブログを目指します

【常用漢字表】漢検2級の漢字/「心筋梗塞」と心血管疾患と虚血性心疾患

心筋梗塞」は「しんきんこうそく」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「心筋梗塞」は「心臓の冠状動脈の、血栓などによる閉塞、急激な血流の減少により、酸素と栄養の供給が止まり、心筋が壊死(えし)した病態。激しい狭心痛、ショック状態などが起こる。中年以後に多い。MI(myocardial infarction)。」と解説されています。
政府提供の「e-GOV法令検索」で「心筋梗塞」を検索すると、5件ヒットしましたが、そのうちの2件の違いが気になりました。
まず、「医療法施行規則(昭和23年厚生省令第50号)」第30条の28では、医療法に規定する「生活習慣病その他の国民の健康の保持を図るために特に広範かつ継続的な医療の提供が必要と認められる疾病」として、「厚生労働省令で定める疾病は、がん、脳卒中心筋梗塞等の心血管疾患、糖尿病及び精神疾患」を定めています。心筋梗塞と心血管疾患の関係は、心血管疾患>心筋梗塞ですね。
次に、「たばこ事業法施行規則(昭和60年大蔵省令第5号)」別表第1には、「たばこの煙は、あなただけでなく、周りの人が肺がん、心筋梗塞など虚血性心疾患、脳卒中になる危険性も高めます。」という注意表示のための文言があります。心筋梗塞と虚血性心疾患の関係は、虚血性心疾患>心筋梗塞ですね。
ここで分からなくなったのは、「心血管疾患」と「虚血性心疾患」の関係でして、この2つを法令検索すると、それぞれのヒットは上記1件のみ。これでは他法令を参照して違いを探ることはできません。
あれこれ検索してみたところ、「国立循環器病研究センター」のウェブサイトにたどり着きました。そこでは、「心臓血管疾患関連」の項目の下に「不整脈」、「虚血性心疾患」、「心臓弁膜症」、「心不全」などを置いています。「心臓血管疾患関連」>「虚血性心疾患」という関係ですね。ここで心臓血管疾患と心血管疾患が同じと解してよいならば、心血管疾患>虚血性心疾患>心筋梗塞という具合に理解してよいと思います。
しかしながら、次の謎が生まれてしまいました。たばこの注意表示としては、なぜ「心血管疾患」ではなく「虚血性心疾患」に限るのか、たばこは虚血性心疾患以外の心血管疾患の危険性を高めないのかという謎です。こうして謎が謎を呼ぶのもまた楽しい。この謎は、またの機会へと先送りします。