夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検6級の漢字/実存は「本質」に先立つか

「本質」は「ほんしつ」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「本質」は「1 物事の根本的な性質・要素。そのものの、本来の姿。2 哲学で、存在するものの基底・本性をなすもの。㋐偶有性に対立し、事物に内属する不変の性質。㋑実存に対立し、そのもののなんであるかを規定し、その本性を構成するもの。3 論理学で、思惟の対象を定義する諸限定。類・種のごとき普遍をさす。」と解説されています。そして、フランスの哲学者サルトル(1905~80)は、「実存は本質に先立つ」と主張しました。「私は○○である」という中身の部分は、あらかじめ決まっているものではなく、各自が自己責任で決定していくものだといったところでしょうか。サルトルは、「人間は自由の刑に処せられている」とも言っています。とはいえ、人間は自分の意思で何にでもなれるというものではありませんから、人間の限界を強く意識してしまうと、種々の制約の仕組みはどうなっているのかという問いに戻ってくることになるでしょう。