夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検5級の漢字/「出納」と発生主義との折り合い

「出納」は「しゅつのう」ではなく「すいとう」と読むのが一般的です。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「出納」は、「金銭や物品を出し入れすること。支出と収納。」と解説されています。支出の「出」と収納の「納」で「出納」なのですね。会計の世界で「現金出納帳」なんていう言葉がありますが、金銭や物品が実際に移動したかどうかという視点で見るのが「出納」です。役所では、「出納閉鎖」とか「出納整理期間」なんていう言葉をよく使います。役所の会計年度は、4月1日から翌年3月31日までなのですが、当該年度内の支出と収納を3月31日までに完結させることは、まず不可能です。例えば、公共工事が3月31日に完了した場合、請求書が来るのは4月1日以後になり、実際に支払うのはさらに後になる、というのが実務の流れだからです。そこで、役所では会計年度終了後に2か月間の出納整理期間を設け、対象年度内に行われるべき支出と収納を出納整理期間内に完結させることとしています。地方自治法第235条の5では、「普通地方公共団体の出納は、翌年度の5月31日をもつて閉鎖する。」と規定され、出納整理期間は5月31日までとなっています。一方、民間企業では、わざわざ「出納整理」などと言うことなく、決算整理をされてることと思います。