夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検5級の漢字/真珠は「宝石」か

「宝石」は「ほうせき」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「宝石」は「産出量が少なく、硬度が高くて、美しい光彩をもち、装飾用としての価値が高い非金属鉱物。ダイヤモンド・エメラルド・サファイア・ルビーなど。」と解説されています。真珠が鉱物と言えるのかどうか、疑問を感じました。真珠は、ダイヤモンド・エメラルド・サファイア・ルビーとは生成過程等がずいぶん違いますし、かなり傷つきやすいもので、「石」っぽくないような気がします。大辞林を見ますと、宝石を「天然の鉱物」とし、その例として天然真珠を挙げています。すると、大辞林に従えば、多くの「ミキモトパール」は宝石でないことになり、これはまた別の違和感を感じます。広辞苑では、宝石を「各種の鉱物」とし、真珠については触れていません。「コトバンク」提供の「精選版日本国語大辞典」を見ますと、「非金属の鉱物」であり、大辞泉とほぼ同じ。4辞典の解説を比べてみると、大辞林の「天然の」という解説は異色だという気がします。
政府提供の「e-GOV法令検索」で法令を見てみますと、「真珠の振興に関する法律(平成28年法律第74号)」第1条では、「真珠が国民になじみの深い宝石であり…」とされています。また、「犯罪による収益の移転防止に関する法律施行令(平成20年政令第20号)」第4条第2項では、「法第2条第2項第43号に規定する政令で定める宝石は、ダイヤモンドその他の貴石、半貴石及び真珠とする。」と規定しています。ところが、「計量単位令(平成4年政令第357号)」別表6では、「宝石の質量の計量」の計量単位を「カラット」(キログラムの0.0002倍)とし、「真珠の質量の計量」の計量単位を「もんめ」(キログラムの0.00375倍)としており、宝石と真珠を分けて規定しています。
以上をどう考えるかですが、真珠と「宝石」の計量単位が同じでない理由となっている諸事情はあるものの、現状を踏まえると、広い意味では真珠(「ミキモトパール」を含む)も「宝石」であるとするのが良いように思います。