夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検3級の漢字/「装甲車」と戦車

「装甲車」は「そうこうしゃ」と読みます。このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」では、「装甲車」は「装甲を施した車両。特に、機関銃などで武装した軍用自動車。」と解説されています。一方、「戦車」は「1 火砲および自動火器を積載し、無限軌道による路外機動力と、特殊鋼板による装甲防護力とを具備した車両。第一次大戦で初めて登場、第二次大戦では地上戦闘の中心兵器となった。タンク。」と解説されています。両者の違いは、無限軌道(キャタピラ)かどうか、そして、装甲防護力の差といったところでしょうか。
政府提供の「e-GOV法令検索」で法令を調べてみると、装甲車も戦車も、法令上の定義は見当たりません。そもそもの話ですが、「関税定率法(昭和43年法律第54号)」別表には「戦車その他の装甲車両」という文言がありますので、戦車と装甲車はまったくの別物というものではなく、戦車は装甲車(装甲車両)に含まれると見てよさそうです。そして、「武器等製造法施行令(昭和28年政令第198号)」第2条では、「機械器具」(法第2条第1項第5号)を定義して、「銃砲をとう載する構造を有する装甲車両であって、無限軌道装置により走行するもの」としていますので、無限軌道装置を有するかどうかは、武器についての重要な判断要素と言えるでしょう。
陸上自衛隊の実際の装備を見ますと、戦車と呼ばれるものは無限軌道装置を有していますし、戦車ではなく「16式機動戦闘車」と呼ばれる車両は無限軌道装置ではなく車輪により走行します。ただし、「無限軌道装置」を有することが戦車の要件であるとは法令上は言えません。
あとは装甲防護力をもって戦車と非戦車をうまく線引きできるかどうかですが、敵の銃砲等の能力との兼ね合いもあり、どうやらそれも難しいようです。