夜光杯雑記帳

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【常用漢字表】漢検2級の漢字/「錦絵」と「浮世絵」の違い

「錦絵」は「にしきえ」、「浮世絵」は「うきよえ」と読みます。
このブログおなじみの「デジタル大辞泉小学館)」で「錦絵」を見ると、「多色刷りの浮世絵版画。明和2年(1765)絵師鈴木春信を中心に彫り師や摺(す)り師が協力して創始した、錦のように精緻(せいち)で美しい版画。浮世絵の代名詞ともなった。江戸絵。東(あずま)錦絵。」と解説されています。次に「浮世絵」を見ると、「江戸時代の風俗、特に遊里・遊女・役者などを描いた絵。江戸の庶民層を基盤に隆盛した。肉筆画と木版画があり、特に版画は菱川師宣(ひしかわもろのぶ)に始まり、鈴木春信らによる多色刷りの錦絵(にしきえ)技法の出現によって大いに発展した。代表的作者として、喜多川歌麿歌川広重安藤広重)・葛飾北斎などが有名。西洋近代絵画、特に印象派に与えた影響は大きい。」と解説されています。つまり、錦絵は浮世絵の中にあって多色刷りの版画を指すのに対し、単に浮世絵と言うと、多色刷りでないもの(単色刷り)や版画でないもの(肉筆画)も含まれるという違いです。錦絵が大衆受けして大量生産され、やがて浮世絵の多くが錦絵だという状況になり、そして錦絵が浮世絵の代名詞になったという経過ですね。